
野溝西の古びた飲食店街。
変わり者の店主ばかりが集まう石芝界隈でも一番ディープな一角。
私は『ずくや昌楽』でそれを発見しました。
まずはこれを見てください。
世の中に異議あり、当店開発ダブル熟成でいざ勝負!なんじゃこれは!挑発的な文言が並んでいますが
ポークソテーのメニューです。
つまり今流行りの長期熟成ではなく、
独自の短期熟成法で美味しく豚肉を食べる方法らしいのです。
かなり気にはなりましたが、食べようかどうしようか悩んでいたら
30歳くらいのお兄ちゃん(お客)がやってきて、
さらりと
「P400で」とご注文。
P400とは400gですよ。そんな肉の塊を日常的に食べていいのでしょうか。
それもご飯・味噌汁・サラダ付でたった1000円…。
「ちゃんと人間が食べる食事だったんだあ」と感激してワタクシも便乗します。
しかし50オトコには半分の200gで十分。
マスターの話を聞くと
「豚肉は熟成しなければ旨くない。
それを
ある方法で短期熟成することに
偶然気が付いた」そうです。
このマスターはお料理博士のような人で論理的に攻めてきます。
発見は常に偶然であるそうな。
そんな珍しい食べ物を僅か750円(200gの定食セット)でいただいていいのでしょうか?というところで騒いでいたら問題のお料理がやってきました。

でっかい肉の塊はたしかにボリューム満点で旨そうだ。
しかし白滝が…。わさびも…?
これをナイフ&フォークでいただきます。
ふむふむふむふむふむ。
例えていうとビーフステーキのような食感のポークソテーですな。
つまり肩ロースの塊ですがサクサク切れてガツガツ食えます。
それほど柔らかく熟成されています。かといって角煮ほど柔らかくはないので
ソテーらしさも残っていて、もちろん味も悪くない。
いやそれどころか旨い。
これはクセになるかもですな。調味料的には塩胡椒だけでもいいような。
しかし白滝はそう、すき焼きのアレの感覚ですな。
肉汁を吸っていて確かにウマい。存在を許します。
そして付け合せの半熟卵は塩を黄身に浸透させたという
「シオタマ」だそうでもう珍味の世界。

やっぱりここのマスターは境界線上の天才ですな。
聞いてみると、それでもこの店の売りは「ずくやラーメン」だと仰る。
これも世界に二つとない激辛ラーメンだそうです。
実際、県外からも数多くのファンが食べにくる
辛い物好きには絶賛されるらーめんですが
そう私がこの店に来なくなったのは3年前
そのずくやラーメンの5辛に挑戦した後でした…。
私が来るべき店ではないと悟ってしまったのです。
カレーも麻婆もいつも1辛ですし。
しかしまあ、この店はユニークすぎて客が付いていけないのかも。
とにかくアメイジングなお店ですので
個性という点からは☆☆☆☆☆ですね。
食事に行ったというよりテーマパークに行ったというような
体験をしたい方はどうぞお試しください。
(マスターにいろいろ聞かないとその異色さが分からないかもしれません。)
それに「ある方法」は別に秘密ではないので教えてくれます。
(決してまずいという意味ではないです。念のため)
食べるのにエネルギーが必要なお店だということですな。
そう、マスターは何に挑戦しているのでしょうか?
マスターのお顔が見たい方は
こちら

posted by ナカムラタケシ at 00:55
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ご飯の美味しい店
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